毎年9月に、シドニー日本人会文化委員会が「カウラ桜ツアー」を催し、シドニー日本クラブとしても参加していますが、今年はカウラ捕虜収容所集団脱走事件から70周年に当たるため、「カウラ・ブレークアウト70周年特別ツアー」が、8月4日・5日の1泊2日で催されました。JCSからは水越副会長が参加し、日本人会の会員を中心に総勢43人がカウラに向かいました。

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捕虜収容所跡地を背景にツアー参加者集合

一行は4日(月)朝にシドニーを出発し、夕刻にカウラに到着。午後5時からの日本大使主催のレセプションと、7時30分からのカウラ市主催の公式ディナーに参加しました。

翌、5日(火)は早朝にホテルを出発してカウラの捕虜収容所跡地に向かい、献花セレモニーに続き、70周年を記念してシドニー日本クラブ、シドニー日本人会、シドニー日本商工会議所の三団体により寄贈された当時の様子を記述した説明板プレートとパノラマ概略図の除幕式に参加しました。秋元義孝特命全権日本大使と林正樹日本人会会長、中舛貴信日本商工会議所会頭、及び水越副会長の4人が、二つの説明板の除幕を行ないました。

その後、一行はカウラ戦没者墓地での「カウラ戦没者慰霊式」に参列しました。午前10時30分から、まずオーストラリアの戦没者墓地にて、引き続き日本人墓地にて、慰霊式典が行われました。

慰霊式では、シドニー日本クラブの理事を務める渡部重信・浄土真宗本願寺派オーストラリア開教事務所長による追悼法要が執り行われる中、日本側から、林日本人会会長、中舛日本商工会議所会頭、水越副会長のほか、カウラ・ブレークアウトの生存者である村上輝夫さんや秋元大使らが代表して献花を行いました。

式典後は日本庭園に向かい、昼食をとって庭園内の樹々を鑑賞するなど、参加者との交流・歓談を楽しみました。
その後帰路につき、車内ではカウラ事件を取り上げた日本のドラマのDVDを鑑賞しながら、一行を乗せたバスは事故もなく無事、7時過ぎにシドニーに到着し、晴天に恵まれたツアーを参加者一同、大いに楽しんだツアーとなりました。

[カウラ捕虜収容所集団脱走事件]

シドニーから西に約330キロの内陸にあるカウラは、第二次世界大戦中、捕虜収容所が置かれ、1000人以上の日本兵捕虜が収容されていた。1944年8月5日午前1時50分ごろ、「カウラ・ブレークアウト」という自決覚悟の集団脱走が決行され、日本兵231人、オーストラリア兵4人が死亡する惨事となった。

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説明板プレートの除幕式に参加した(左から)林会長、秋元大使、水越日本クラブ副会長、中舛会頭
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慰霊式典に参列した(左から)中舛会頭、林会長、水越日本クラブ副会長
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秋元大使と語り合う元捕虜の村上輝夫さん